20世紀を代表するフランス生まれの造形作家、ニキ・ド・サンファル(1930-2002)。彼女は創作活動の集大成として、イタリア、トスカーナに20年の歳月をかけて彫刻庭園「タロット・ガーデン」を創り上げた。この「タロット・ガーデン」は22枚のタロットカードが彫刻や建造物へと姿を変え、誰もが幸せな気分に包まれる空間だ。
世界各地でアーティストのポートレイトを撮影してきた松本路子は、1981年から10年以上にわたり、ニキの写真を撮影している。生涯でやり残したことは何かと考え始めた時、ニキともう一度向き合ってみたいと思い、映画の製作に挑むことになった。タロット・ガーデンを再訪、ヨーロッパ各地、アメリカ、日本国内でニキ作品を自ら撮影し、脚本も手掛けた。
ゆかりのある8人へのインタヴューの他に、ニキ、その娘、孫、曾孫と、4世代にわたる女性たちを撮影することも叶った。映像には未公開の多数の写真作品、監督による語りが含まれ、2人の女性アーティストの交流から生まれた物語になっている。そして、本作のナレーションを務めたのは、俳優、プロデューサーとして活躍する小泉今日子。本編のエンディング曲も上田ケンジとのユニット「黒猫同盟」として制作している。
日仏二人のアーティストの軌跡が交差した至福のドキュメンタリー映画『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』は、2024年9月25日(水)より東京都写真美術館ホール、9月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開となる。
配給:ミモザフィルムズ
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©撮影 松本路子