『バグダット・カフェ』は1987年制作の西ドイツ映画。日本では1989年に渋谷区にあったミニシアター「シネマライズ」(2016年1月閉館)で初公開されると、同館では数ケ月にわたりロングランヒットとなり、当時の日本国内におけるミニシアターブームを代表する一作となった。今でも多くの人が「好きな映画」として挙げ、リバイバルのたびに熱心なファンを生んでいる。この度、2024年3月に亡くなったパーシー・アドロン監督監修のもと4K修復され、日本のスクリーンで上映されることになった。
アメリカ西部、モハヴェ砂漠にたたずむ寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に現れたのは、場違いな風貌のドイツ人旅行者ヤスミン。仕事も家庭もうまくいかずいつも不機嫌なオーナーのブレンダは、得体の知れぬ訪問者に対して怪訝な態度をみせるが、朗らかなヤスミンの態度に次第に心を開いていき、やがてかけがえのない友情で結ばれていく……カフェに集うのは、近くのトレーラーハウスに住む老画家ルディ、気怠げなタトゥーアーティストのデビー、モーテルの隣にテントを張って住み着いているエリックなど個性的な面々。
「あらゆる肌の色、バックグラウンド、信条の違いを理解し受け入れる温かさを描いたこの物語は、現代における癒しの源になるのだと感じたんだ」とアドロン監督が語るとおり、訪れるのも立ち去るのも自由、誰をも受け入れる場所、それが「バグダッド・カフェ」だ。
どこまでも広い空、砂漠の乾いた空気、ふしぎな光とちいさな魔法――どこか寂しく、なぜだか懐かしいあの景色。アカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、数多のアーティストがカバーした名曲「コーリング・ユー」とともに、鮮やかに蘇った本作をぜひスクリーンで。
バグダッド・カフェ4Kレスト
12月13日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
(C)1987 / Pelemele Film GmbH – Pro-ject Filmproduktion imFilmverlag der Autoren GmbH & Co. Produktions-KommanditgesellschaftMünchen – Bayrischer Rundfunk/BR – hr Hessischer Rundfunk
公開表記:12月13日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次
公開提供:是空/TCエンタテインメント
配給・宣伝:ALFAZBET