原作は、世界的ベストセラーとなったジェイン・ハーパーのデビュー作『渇きと偽り』である。2015年に刊行され、ビクトリア州知事文学賞を受賞するとすぐに映画化が検討されたという。主演はオーストラリア・メルボルン生まれのハリウッド俳優、エリック・バナ。原作に惚れ込んだエリックは自らプロデューサーも務めた。
舞台となるのは、干ばつが続き渇ききったオーストラリアの大地。訳ありで故郷を去った主人公のアーロン・フォーク(エリック・バナ)は、親友ルークの葬儀に参列するため20年ぶりに故郷に帰る。フォークは今やメルボルンの連邦警察官。親友ルークの死は、妻と子供を殺して、無理心中を図ったものと片付けられたが、そうとは思えないルークの両親から事件の真相を探ってくれるよう頼まれる。
ルークの不審な死の謎を追っていくフォーク。そこには20年前、仲良しのエリーが水死し、フォークが殺人犯と疑われた過去の事件が絡み合ってくるのである。17歳のルーク、フォークらは甘酸っぱい青春の真っ只中、水遊びを楽しむ。そんな彼らの瑞々しい映像と、干ばつの原野と化した土地で、女友達のグレッチェンと狩りをする場面や、事件を追いながら葛藤するフォークの心理状態など、過去と現在が交錯しながら進む物語の中に次第に引き込まれていく。
田舎特有の閉塞感や新参者を受け入れようとしない地元の住民との対立を目の当たりにしながらも、フォークは様々な困難を経て真実に辿り着く。犯人は以外な人物だった……。そして、フォークが故郷を追われることになった事件の犯人も明らかになるのだが……。