一昨年コロナ禍により公演が叶わなかったいのうえ歌舞伎『神州無頼街』が、2年間の延期を乗り越えての念願の上演が決まった。幕末を舞台に、歌と踊りと立ち回りで彩る伝奇時代劇で、劇団☆新感線主宰・いのうえひでのりが、そのすべてをショーアップさせて創り上げる、王道〝いのうえ歌舞伎〟最新作である。3月17日からの大阪公演を皮切りに、4月9日からは物語の舞台となる富士の裾野、新感線初の静岡公演、そして、4月26日には東京公演がスタートする。
物語の主人公である博識の若き町医者を演じるのは福士蒼汰。福士の記念すべき初舞台は2017年の『髑髏城の七人』Season月<上弦の月>。舞台には映像では見たことがない福士蒼汰がいた。福士の中にそれまでに感じたことのない色気を感じたことを思い出す。そして福士のバディとも言える陽気でお調子者の口出し屋を演じるのは、声優、俳優、歌手として多才ぶりを発揮している宮野真守。福士同様、『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>が、劇団☆新感線初参加だった。作者の中島かずきは、宮野のキャラクターに合わせた〝当て書き〟に近い形で本作の役を用意したと聞く。福士と宮野、互いに共演を楽しみにしていた2人だが、延期の期間を経て、その想いはさらに熟成されたに違いない。延期の無念を晴らすような、熱い想いが舞台上で炸裂するに違いない。
さらに共演者には、今回が劇団☆新感線5回目の出演となり〝準劇団員〟といった存在の松雪泰子。劇団☆新感線初参加となる髙嶋政宏の名も並ぶ。松雪には「色っぽくもありつつ母性を感じさせる大人の妖艶さを発揮してほしい」と言う演出を務めるいのうえの期待に応え、松雪が本作でどんな女優の華を見せてくれるのか楽しみだ。また、いのうえは映画『ZIPANG ジパング』で髙嶋が演じた地獄極楽丸は、『髑髏城の七人』の捨之介の造形に影響を与えていると明かし、〝元祖ロック役者〟という印象を持っていた髙嶋との仕事を楽しみにしているとも言っている。
幕末や侠客という、これまで中島がいのうえ歌舞伎では取り上げなかった題材で、血煙と砂埃舞う富士の裾野を舞台に闊歩する無頼の輩たちの猥雑で色っぽい〝青年漫画〟の世界がロックで描かれるスペクタクル劇。現実社会の闇を吹き飛ばすような打ち上げ花火のような芝居に期待が高まる。
作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:福士蒼汰/松雪泰子 髙嶋政宏/粟根まこと 木村了 清水葉月/宮野真守http://www.vi-shinkansen.co.jp/shinshuburaigai/
大阪公演
〔公演日程〕3月17日(木)~3月29日(火)
〔会場〕オリックス劇場
〔料金(税込)〕S席15,800円 A席7,800円 ヤングチケット2,200円
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00※日曜・祝日は休業)
静岡公演
〔公演日程〕4月9日(土)~4月12日(火)
〔会場〕富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
〔料金(税込)〕S席14,800円 A席11,800円 ヤングチケット2,200円
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00※日曜・祝日は休業)
東京公演
〔公演日程〕2022年4月26日(火)~5月28日(土)
〔会場〕東京建物 Brillia HALL
〔料金(税込)〕S席14,800円 A席11,800円 B席9,000円 ヤングチケット2,200円
〔問〕サンライズプロモーション東京0570-00-3337(月~金12:00~15:00)