近年になって、当施設の開所式の模様が、プロデューサーの田中友幸氏が撮影した8ミリ・フィルムで見られるようになり、特撮ファンに歓喜の声が上がっている。画面を見れば、プール脇に塀などは確認できず、近隣の砧の住民は撮影の様子が見放題、逆に言えば、撮影時の騒音もしっかり伝わっていたことが窺える。爆発シーン撮影のときなどは、さぞや近隣から苦情が寄せられたであろう。
この「大プール」は2004年の『ゴジラ FINAL WARS』撮影後に解体され、長い歴史に幕を閉じたが、この施設こそ東宝撮影所の栄華を感じさせてくれる、象徴的存在であった。現在でも撮影所内を流れる仙川沿いの遊歩道を歩けば、現存するNo.9ステージ脇にあった大プールの名残を感じることができる。東宝特撮マニアの皆さんは、一度散策してみてはいかがだろうか。道と仙川を仕切る柵にはゴジラのレリーフもあったりして、なかなか愉しい。