
創立80周年の記念公演は「伝統と革新の共生」を基本理念に15公演19作品(23年4月~26年3月)がラインアップされている。イプセン『野鴨』、ブレヒト『セチュアンの善人』などの近代劇から、瀬戸山美咲、桑原裕子、長田育恵の新作まで、多彩なラインアップとなっている。中でも24年2月に上演する『スターリン』は、落合真奈美、村雲龍一、中村圭吾の若手演出家3人が競作する刺激的な企画だ。俳優座100周年に向けての大いなる助走が始まろうとしている。

すぎやま ひろむ
1957年、静岡市生まれ。81年に読売新聞社入社。芸能部記者、文化部デスクとして30年間にわたり演劇情報や劇評の執筆、読売演劇大賞の運営などを担当。2017年に読売新聞社を退社し演劇ジャーナリストとして「読売新聞」「テアトロ」「join」などで原稿を執筆。公益社団法人・日本劇団協議会常務理事。読売演劇大賞、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、日本照明家協会賞の選考委員、共著に『芸談』(朋興社)、『唱歌・童謡ものがたり』(岩波書店)など。