秋山庄太郎が捉えた女優

美しい女優をより美しく

 秋山庄太郎に「写真の師匠」はいなかった。映画の照明技師の技法を観察したり、映画を見て秀逸なカットから光源のあり方を逆算したりした。また、ポートレート写真家は美学、文学、心理学など知識を豊富にすることの必要も説いている。

 秋山庄太郎の写真美学は、フリーになってから弾みがつく。美しい女優がより美しく輝いている。「秋山庄太郎にとってほしい」という願望が、女優たちからもたらされ、秋山庄太郎自身も研鑽を重ね、「讃婦人科」「女性専科」などの異名をとった。

「美人を撮っているのだから、美人に撮れて当然と言われるが、美人を撮るのは難しい。衣装、化粧やポーズでごまかすのはわけないが、問題はこちらが考えているよりもっと美人だと本人が思っていること。だから、普通、美人は自分の写真をほめない。大切なのは撮られた本人がいいと思うこと。第三者がみてもそれはいいと思うはず」
 秋山庄太郎のポートレートは、「陰影が気になる」「黒バックは地味」などと揶揄されることがあった。しかし、「黒の背景は、被写体をより美しく引き立てる」、「鼻の下の影は自然。真正面からの照明は、車のヘッドライトで照らすようなもの」と、編集者や写真学校生に教えることを厭わなかった。
 女優本人が気づいていない美しさを撮るために秋山庄太郎は考えた。どんな美人でも完璧な美人はありえない。欠点を探し、それを隠すように美しさを際立たせる。
 秋山庄太郎が写す女優は生き生きとしている。それは撮影に時間をかけないことにあった。被写体としてエネルギッシュに見せられる時間は限りがある。売れっ子となれば次の仕事がひかえている。短時間にいい表情を引き出すのである。

2020年1月1日 Vol.42より

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