共演には、映画、テレビドラマなどで現代を代表する若手俳優としての存在を強く印象づけながら、舞台『桜姫東文章』『近松心中物語』でも観客を魅了した石橋静河。映画『ソロモンの偽証』、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」、「精霊の守り人」などで、観る者の心にその存在を刻み込み、今後が期待される板垣瑞生。近作映画『向田理髪店』をはじめ、多くの映像作品に出演しつつ、舞台にも毎年複数の作品に出演し、俳優としてのキャリアを積み重ねている永田崇人。映画、テレビドラマ、舞台とさまざまなフィールドで、幅広い役を演じ、15年の舞台『RED レッド』では紀伊國屋演劇賞個人賞にも輝いたベテランの田中哲司など、演劇ファンの心をくすぐる顔がそろった。
石橋は、「真髄にすごく深いものを感じる作品で、そこに恐れず向き合い、トライ&エラーを繰り返しながら、お客様の心に響く何かを伝えられたら」と。板垣は「舞台に出演したいと思っていたタイミングで、自分自身も影響を受けた『エヴァンゲリオン』で初舞台を踏むことができることに心が震えています。生だからこそ伝えられることの魅力を感じながら、新たなフィールドで俳優として成長できれば」と。また永田は、人生初というこけら落とし公演への参加にワクワクしながら「自分が生きていいんだというパワーを『エヴァンゲリオン』から感じつつ、自己を解放しながら作り上げていく過程を楽しんでいます」と。そして田中は「手を出してはいけないところだろうと思いましたが、今や『ワンピース』などの漫画が歌舞伎で上演される時代にあって、この『エヴァンゲリオン』という作品も、演劇ならではのまさしく『舞台・エヴァンゲリオン』の魅力を伝えることができるのではと感じています」と、それぞれに大きな期待と、意欲を持って新劇場での初上演に臨んでいる。
本作の原案・構成・演出・振付を手がけるのは、ダンサー、演出家、振付家であり、演劇やコンテンポラリーダンス公演から、バレエ、オペラなどの演出・振付でも幅広く活躍し、新作を発表するごとに常に世界中の注目を集め、ローレンス・オリヴィエ賞新作ダンス賞をはじめ、数々の受賞歴を持つシディ・ラルビ・シェルカウイ。Bunkamuraとのコラボレーションでも、12年に『テ ヅカ TeZukA』の構成・振付、15年・18年の『プルートゥ PLUTO』(原作『PLUTO』浦沢直樹×手塚治虫 長崎尚志プロデュース 監修/手塚眞 協力:手塚プロダクション)の演出・振付で大きな話題となった。「世界中で大きなインパクトを持っている『エヴァンゲリオン』という、とてつもなく大きなプロジェクトに挑むという心持。すごく深味があり、世代を超えて語り合えるこの作品を、芝居、ダンス、パペット、映像などいろいろな芸術表現と、言語を使って、この世界観を表現していくことを大事にしたい」と演出プランを披露している。
新宿・歌舞伎町の地に、新たな演劇の種が蒔かれた。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』がどんな文化を芽吹かせてくれるのか、演劇ファンならずとも楽しみなところである。