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日本歌謡界随一の最高に美しいロックミュージシャンが1977年レコード業界の頂点を極めた大ヒット曲沢田研二「勝手にしやがれ」


 1960年代後半のグループ・サウンズ(GS)ブームの中で頂点に立ったザ・タイガースのメイン・ボーカルとして世界をも魅了したジュリーこと沢田研二。タイガースについては、また別の機会に紹介することにして、ここでは71年のソロ活動以降の沢田研二を語ることにする。

 71年11月1日にポリドール・レコード(現・ユニバーサルミュージック)から「君をのせて」でソロ・デビューする。作詞は岩谷時子、作曲は宮川泰、編曲は、はしだのりひことクライマックスの「花嫁」や松山千春「大空と大地の中で」の編曲などで知られる青木望だった。叙情的な静かな時間の流れを感じさせるような曲で、オリコンシングルチャート最高位は23位と、タイガース時代ヒット・チャートのトップ10にランク・インし続けていた沢田にとっては少々地味なソロ・スタートだった。

 だが、テレビドラマ「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」などの演出で知られる久世光彦は、この曲が「あんまり好きすぎて」、本曲をモチーフにして78年にドラマ「七人の刑事」の一編「哀しきチェイサー」を制作した。無頼な探偵もどきの男が内田裕也、彼とコンビの知能がちょっと遅れた美少年が沢田研二という配役だ。木枯しの草原で二人が洋モクを回し喫みしながら縺れていく回想シーンに、この曲が流れる。久世は「これは男同士の友情と絆の歌」で、「《君》は、男だと思っている」と著書『みんな夢の中』(文春文庫)に記している。才能豊かなクリエイターである久世光彦にドラマを1本制作させた曲だったのだ。また著書の中で久世は「裕也が暗いナイフのようで、Julieは色っぽい」とも言っている。内田裕也が亡くなったとき、沢田は葬儀には出席していないが、その年の東京国際フォーラムでのコンサートで、沢田は何も語ることなく「君をのせて」と「哀しきチェイサー」を歌った。沢田研二なりの追悼だった。

 久世は75年には主役の三億円事件の犯人に沢田研二を迎え、連続ドラマ「悪魔のようなあいつ」を制作しているが、企画書で「刃物のように酷薄で、氷のように冷たく鋭い、しかし悪魔のように魅惑に満ちて甘美なロマンの国へ入れるライセンスを、たった一人許されて持っている美しい青年」と沢田のことを評している。

 
 72年にはソロとして2枚目となる「許されない愛」をリリースし、オリコンシングルチャート最高位4位を記録し、ソロとして初となるオリコントップ10入りを果たした。作詞は山上路夫、作曲はザ・ワイルドワンズの加瀬邦彦、編曲は野口五郎のリサイタル・コンサートなどで音楽監督を務め芸術祭大衆芸能部門優秀賞を受賞する東海林修。沢田は日本レコード大賞歌唱賞を受賞。大賞はちあきなおみ「喝采」、最優秀歌唱賞は「あの鐘を鳴らすのはあなた」の和田アキ子、最優秀新人賞は「芽ばえ」の麻丘めぐみという時代だ。年末のNHK紅白歌合戦にも、ザ・タイガース時代には成し得なかった初出場を果たした。天地真理、野口五郎、欧陽菲菲、ビリーバンバン、上條恒彦らもこの年の初出場組である。ここからジュリーの進撃が始まる。

 73年に6枚目のシングルとしてリリースされたのが「危険なふたり」で、ソロ初のオリコン1位を獲得する大ヒット曲となった。年間ランキングでも第5位を記録しており、ソロとしての人気を確固たるものとした。作詞は安井かずみ、作曲は加瀬邦彦、編曲は東海林修で、日本歌謡大賞の大賞を受賞した。レコード大賞でも下馬評では、当然「危険なふたり」が受賞するものと思われていたが、結果は大賞には五木ひろし「夜空」が輝き、「危険なふたり」は大衆賞だった。最優秀歌唱賞は「恋文」の由紀さおり、最優秀新人賞は「わたしの青い鳥」の桜田淳子だった。

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